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うづきじんのBLOG うのはなことのは

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制約と誓約だ。


 まあそう描いた人は今アレなんですが。
 とまれ、作成中の文章を晒して自分にプレッシャーをかけてみるテスト。

 いや、書いてはいるんですぜ?好きでやってるんですし。
 ただ、纏まらないだけで。
 伸びていくだけで。







「…………」

 もう一度、ぺこり、と。
 頭を下げて退がる少女を、先輩と二人で横目に見やる。聞きたいことや言いたいことは、先輩ほどではないにしたってそれこそ山ほどあるのだけれど。キッチンに回り何のつもりか、白くそびえ立つコック帽まできっちりかぶったその姿からは紛れもない真剣さが伝わってくる。敵意が全くない所為もあるけど、鍋を掻き回すその背中にはなんとも声を掛けずらい。

「良いんじゃないですか?お腹も減りましたし」

 些かならず投げやりな声で答える。実際、喉の渇きと共に腹も大分空いていた。例の匂いが充満する今、先輩だって同じコト。

「……まあ、この期に及んであのあーぱーを待つこともありませんか」

 法衣の代わりに口実を纏い、先輩もこちらに倣っていそいそと腰を下ろす。視線は少女の手元から外さないまま一息で飲み干されたカップに、テーブルに残されたティーポットを口付け注いだ。

「何してんでしょうね、あいつ」

 こちらも二杯目、ほのかに温かなカップをつまみ上げて呟く。淡く波紋の揺れる水面は、陶磁の白がうっすら透けて見えるくらいに澄んだ金色、太陽の色。水面に映るキャンドルの赤い光も相まって、それは嫌が応にも不調法な招待人のことを連想させた。

「さあ。どこかで寝てるんじゃないですか、十七個くらいになって」

 ……大好物に気もそぞろなのか、何気にトラウマに刺さる答えを返し、ティースプーンを泳がせた。陽光に灯る赤い光が、溶けて流れて喉へと滑る。

「……アルクェイドが用意したんですよね、あれ」

 気を取り直し、呟きを落とす。わざわざ先輩の好物を尋ね、評判になっている店を借り切り―――そこを会場としたくらいなんだから。
 うすうす思ってはいたけれど、今夜の遠野志貴は主賓ではない。格好通りのエスコート、単なる脇役、刺身のツマだ。
 あいつが何故か、未だに姿を現さないことは気にはなるけれど―――それでも、今夜の『招待』が。
 テーブルの向かいで途端に眉を寄せてこちらを見やってくる、先輩に。
 浅からぬ―――なんて迂闊にも言えない間柄の、シエル先輩を意識して図られたことであるのは、最早疑い様もなく。

「―――わたしは、」

 妙に落ち着き沈んだ声に、胡乱に漂わせていた視線を戻す。色素の薄い青味がかった空の御簾。降りた髪に遮られ表情は見せないまま、

「彼女には、嫌われている筈です」
「―――そうかなあ」







 土手を駆ける少年たちが、こちらの姿に気付いたのだろう。足を止め、こちらを興味深げに見やってくる。

「―――ああ。あんた、珍しい格好してるもんな」

 視線の先を目で追って、何とはなしに呟きを落とす。
 ここいら辺には青いタイツとか黄金の鎧とか、妙な格好をしている奴は多いけど。内心密かに苦笑しながら、横目で見やる子供たちを想う。黒一色の法衣姿はそういう奴らとは違った意味で、日常レベルで珍しい。
 特にカレンは、一見で目を惹く。はっきりと外国人だし、黙ってさえいれば神聖さすら感じ取れる整った容姿だ。いつだったかも、子供たちの間では世を偲んでいる王様二人が揃ってヒーローになってたし。
「そうでしょうか?」
 訝しげに裾を摘み、些か不満気に呟く。

「こっちの服は、珍しくもないと思うのですが」
「……そりゃまあ、あれに比べたらなあ」

 出会いの夜を思い出す。あれでは青少年には珍しいとかそういう意味でなしに、注目されるのは免れない。この真昼間に一緒に居たら、俺まで捕まるんじゃないかと思うくらいには。
「外国と違って、こっちじゃ珍しいんだよ。言峰だって浮いてた」
 特に泰山ではそのまま固有結界を張りそうな勢いだった。あれは服装だけの問題ではなかった気もするけど。
「……言峰綺礼も、ですか」
「?ああ」
 訝しげに答えを返し、再び歩みを進める。真黒い背中を向けた少女からは、表情を伺うことは出来ない。出来ないのだが、
(……喜んでる?)
 そんな風に感じる。もともとベクトルは兎も角として、意外なくらいに素直な少女ではあるけれど。かおも見ずに分かるくらいに露骨なのは珍しい。
 足取りは軽く、まるでスキップするかの様に。風に乗って届く声は、何故か妙に聞き覚えのある聖歌の一節。
 見えない羽で泳ぐ少女に、遅れはしまいと足を速める。
「で、何処に向かってるんだ?」
 歩みは止めず再度の問いを投げ掛ける。沈黙を誤魔化す為の手持ち無沙汰の一言には、予想を外れ応えがあった。弾む足取りで進む少女が、弾みを抑えた答えを返す。
「もう少し、です。貴方の好きな人に会えますよ?」
「え――――――」
 思わぬ答えに、歩みが止まり。

「ちなみにこういう時に複数の女性が浮かぶ様な殿方を、私たちは姦淫の罪に問うのですが」
「…………」

 憮然のままに、歩みを再開する。
「図星ですか」
「うるさい。黙ってろ」
 あら。と、実に嬉しげな答えが返る。
 ……何でかなあ、カレンと居るとどうにも言葉遣いが荒くなる。
 こいつの言動も大概とは言え。衛宮士郎と言う人間は聖職者に、それも年下の女の子に向かってこんな態度を取る人間だったろうか。
 ただ、不思議とどうにも全く罪悪感が湧いてこない。同じ様なことをうっかり桜にでも言おうものなら、自己嫌悪で死にそうになってもおかしくはないと思うんだけど。まるでずっと昔から、それが当然だったかの様に慣れ親しんだ毒が飛ぶ。
 それと言うのも、このひねくれ者がその度に。
 実に嬉しそうに、まるで素直な年相応の少女の様に喜ぶからで……。

「どうしましたか、姦夫」
「……。」







 時計の針はいつかの様に迂闊に遅れることもなく、ただ正確に時間を刻む。一人二人と家を出て、連立ち歩いて遠ざかる魔術師二人を見送って。
 瓦の屋根から降り立って、いつも通りに時間を潰す指定の席へと歩みを進める。誰が居ようと何をやろうと、この身に及ぶことはなく。
 とは言え家人が居る時は、いつもこの家は騒がしい。座に在る時の静けさは嫌気が差した筈ではあったが、この席の色と静けさは、何故だか酷く心地良い。
 ……あの人もこれを見ていたのかと、胡乱な思いが頭を過ぎる。どうと言うこともない風景。広く湿った草色の庭、懐かしい筈の古びた土蔵。
 あの人はここが好きだったのかと、浮かんだ思いに苦笑を一つ。目指し焦がれて結んだ幻想。恐らくこの世の誰よりも、今の自分は彼に似ている。
 薄らに残る遠い葦切、影を刻んだ真白の月光。果たした筈の約束と、磨かれ擦り切れた自分を見ても、彼は自分に笑いかけてはくれないのだろうけれど。


『―――爺さんの、夢は。
 俺が、形にしてやるから―――』


 ―――それでも。
 磨耗に飽いた正義の味方が疲れ眠ったこの縁側を、未だこの期に及んでも。好ましいとそう思えることは、何故だかどこか誇らしく。
 願う。
 もしも叶うのならば。


『ああ―――安心、した』


 今はこの地で眠る彼が、どうか不肖の息子の先を。
 それが綺麗でただ憧れた、その末の路を知らずに眠れます様に―――



「……そんな所で何をしているのですか。シロウ」



 想いを遮る至近の声に、応え愕然と体を起こす。
 かけられた呟き、忌むべき愚者のその名前。
 目にも膚にも触れる筈もない、有り得ぬ誰何を告げる声。
 上げた視線の、その先には。


 日向の色の髪の少女が、盆を抱えて佇んで―――


「久し振りですね」
「……いつから、気付いていた?」







「『ゆんゆんパラダイス』の5巻はまだ出ないんでしょうか……」

「―――おや、どうしましたサクラ。その格好は私以外には目の毒ですよ?」
「……ライダーが机に突っ伏す様なこと言うからじゃない。しかもさり気なく見下された様な」
「悲観することはありませんサクラ。少々住人が増えようとも、貴女のアドバンテージは依然揺らぎはしない」
「顔を見て話しなさい」
「確かにあのメイドの戦闘力は侮れませんが、サクラにはもう一つ武器があるでしょう」
「武器?」
「先ほど読んだ本によれば、世の中には「幸せな重み」と言うものがあるそうです」
「―――セイバーさーん。ライダーはここに居ますよー」
「待って下さいサクラ。ここで暴れられては、私のコレクションが台無しになってしまうではありませんか」
「―――ああもう!取り敢えずその本……というか、その辺りの本を片付けなさい!」
「はい。この『百姫夜行・神招姫たちの淫祭』とナポレオン文庫シリーズですね」
「タイトルを読み上げないのー!」


「で?何やってるの、ライダー」
「ええ。いい加減物置も一杯になってきたので、本の整理など」
「そうじゃなくて。……セイバーさんに何したの」
「本を貸して欲しいというので、貸しただけですが」
「本?セイバーさんが?」
「ええ。美味しそうな本を読みたいと言うことで」
「……ああ、そういえば前にセイバーさんに話したっけ」
「『食いしん坊!』は死守しました」
「ありがと……で、何を貸してあげたの?」
「『妖神グルメ』などを」
「……ライダー、もしかしてセイバーさんのこと嫌い?」
「『イギリスはおいしい』の方が良かったでしょうか」
「正直がいつも美徳とは限らないんだよ、ライダー」
「サクラが言うと説得力がありますね」
「姉さんよりましです」
「それはまあ、セイバーに比べればタイガもサクラも小食ですよね」
「―――まあ、つまみ食いなんてハシタナイ真似はしてませんから」
「―――セイバーとタイガにも困ったものですね」







「そうだな。正直に言ってしまえば、メイドさんが描ければそれでいい。仮に次回作のヒロインが全員メイドさんでも、俺は何も」

 ―――で。
 奈須さんがいない事がプラスに働いたのか、武内さんはクールにホントの気持ちを語ってくれた。
 前言撤回、プラスじゃなくて乗算である。あまりの迫力に背筋が凍り付きそうです。

「……そうですか。えーと、なんですか、万が一にもあり得ないんだけど、仮に奈須さんがOKを出したら、その時点で暴走開始ってコトですか」
「きのこもそれを望むのならそうなるな。
 俺は俺の出来る範囲を超えて、今度もまたエロゲ業界を勝ち抜くだろう。翡翠やリズセラを出したように、私立さくらんぼ小学校を上回る規模で趣味をひた走る覚悟もある。
 OKSG、それを阻むというのなら、お前が相手でも容赦はしない」

「…………」
 ……難しい。仮に、本当に仮に、何かの大凶殺でも奈須さんはそんな気になりはしない、と断言出来ないのが辛いところだ。
「いいです、そんなもしもの話は置いておいて。
 けど意外です。武内さんはもっとまともな性格だと思ってました」
 自分から『私立さくらんぼ小学校を超える』なんて言いだすとは思ってもいなかった。
 ここ数年で僕が捉えた武内さん像は、色々ネタにはされるけど、基本的に真面目な原画家さん、というものだったし。
「ああ、OKSGの推測は正しいと思う。俺は自分から暴走することには慣れていないから。
 だが、機会がきのこから訪れるのなら話は別だ。暴走出来るのなら趣味をひた走る。
 描く時は描く。容赦なく、全力で。二度と路線を戻せないよう、二度と本格伝奇なんかを書こうなどと思わないように」







 ちゃんと書きます。(一部除く)

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2006/07/31 : その他のSS : 61Trackback 0

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