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うづきじんのBLOG うのはなことのは

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不器用な姉

 HFトゥルーエンド閑話。
 世話焼きライダーさんと銀髪の美少女の話。


















「……それじゃあ、行って来るけど」

 これが初めてという訳でもないのに、彼女は相変わらずの渋い声と表情とで出発を告げた。
 玄関先の時計を見やる。狂いなく刻まれる時刻は、毎朝見る度に少しずつ歩を進めていた。
 『朝錬』とやらを行っていた時と比べて遥かに遅くなった彼女の出発時刻。それを取り止めてからも徐々に、だが確実に彼女の出発時刻は遅くなっている。あまり好ましい事では無い。
 帰宅時間はそれに反比例しているとは言え、それで埋め合わせが出来るものでもないだろう。

「はい。留守はお任せ下さい」

 出発を促す意味も込めて、彼女に答える。
「ううう」―――却って深くなる、その渋面。怨嗟の唸り声。
 ―――その、私を責めるような眼は。正直、苦手だ。
 いいかげん慣れて欲しいとも思う。
 仕方ないではないか。少なくとも昼の間は、体が空いているのは私だけなのだから。

「サクラ」
「……行って、来ます……」

 呼びかける声に、悄然と。
 肩を落として力無く。遠ざかる後ろ姿に、吐息する。
 
 疲れる。
 
 いや、別段疲れる様な行為ではない筈なのだけど、流石にこうも毎日続くと。
 正直、こんなやり取りが殆ど毎朝続くのかと思うと、頭が痛い。サクラならずとも、リンの帰りが待ち遠しい……。
 鬱々たる足取りで、内へと戻る。彼の居ない今、私がこの家でやるべき事は案外多い。
 朝食の皿を流しに移し、水に漬け。軽く食卓を拭いて、常備菜を冷蔵庫へ。食器を洗い、拭き、仕舞い。
 ―――紅茶の葉を戸棚から取り出し掛けた所で、思い出した。
 時刻は既に九時を回っている。朝食の時間としては、これは限度だろう。
 出来る限り安静にさせておく様に、とは口を酸っぱくしてリンが言っていた。それにしたって、丸一日以上床の中と言うのは決して身体に良くはない様に思える。
 それが人間を模したものである以上、やはり飢えれば衰弱していくのだろうから。
 加えて言えば、人間は出来る限り三食を、それも規則正しい時間に取った方が体には良いと言うし。

「―――そうですね」

 一人述懐して、カップを二人分用意する。加えて用意する食事は、私達のものよりもあっさりした、それでいて栄養価の高いもの。
 私の味付けはサクラ達曰く、未熟故だろうか単調ではあるが、不味くはないらしい。申し訳ないが、彼にはサクラの夕食を楽しみにして貰おう。朝食と昼食は私のもので我慢して貰うしかない。
 薬缶を火に掛けてから、階段を上がる。小さく開け放たれた―――朝、サクラが覗いていた名残だろうか―――障子の隙間から、穏やかな寝息が漏れてくる。
 ノックも出来ない、未だに慣れないその扉をそっと開く。
 ……今から部屋の主を起こそうと言うのに、私は何をやっているのだろう。
 
 とは言えその姿は乱暴に眠りを剥ぐ事を躊躇わせる、そんな雰囲気を持っていた。
 
 成人用のサイズの布団に挟まれて平和そうに眠るその姿は、半ば綿の海に埋もれているかの様な印象を覚える。これだけは何故か小さな枕から長く零れる髪は、白銀色。透き通る様に、と言う比喩が例えで無い程に真白い肌。僅かに覗く四肢は細く、身体そのものも折れそうな位華奢だ―――幼さ故か、胸は少年のそれと殆ど見分けが付かないが、それでも直では無い、曲線で形成された、美しい少女。
 ……思わず頬に触れてしまう。―――意外な程柔らかな、ふっくらとした感触。
「ん、……」
 眠りは浅かったのか、むずがる様な声を少女が上げる。
 慌てて手を離し。
 その睫毛が震え、ゆっくりと眼を開いて。
「―――あ。おはよう、ライダー」
 穏やかな、綺麗なソプラノ。
 向けられる、その真紅の瞳に動揺を隠し。

「―――おはようございます、士郎」

 まだどこかぼんやりとした、寝起きの少女に挨拶を返した。









 『不器用な姉』










「そんなことはない」
 
 断固とした口調。白皙の美貌に真っ直ぐな、怒りの色を携えて。
 それは私に向けられたものではあるが、非難する為の声では無い。自らを卑下した先の発言を否定する為のもの。
 純粋に他人の為の怒り。
 それを素直に持てると言う事が、どれだけ稀少なのか本人はきっと分かってはいないのだろう。
 実感する。目の前の少女が、紛れも無く彼である事を。
「そんなことはない。ライダーは良くやってくれてる。飯、旨かったぞ」
「ですが」
 どこか微笑ましい気持ちになりながら、応える。年端もいかない外見の少女が真顔で、男言葉で私を―――ライダーのサーヴァント、メデューサの英霊であるこの私を!―――こともあろうに『慰めている』図というのは、自覚するだに奇妙で、新鮮だった。

「こと食事に関しては、士郎に言われても説得力が有りません」

 私にもそれなりに料理の味は分かる。以前食べた彼の朝食、そしてサクラの作る食事は、私のそれとは雲泥の差が有った。
「そんなことは無い」
 三度、少女が答える。
「今の俺じゃ台所には立てない。ライダーが居てくれて助かってる」
 士郎……。
「それは……料理の味のフォローには、なっていないと思うのですが」
 彼らしい、真摯ではあるがどこか隙の有る慰めに苦笑する。
「う……いやだって、俺は昔から自炊してただろ。ライダーは二週間前に始めたばかりで、これだけのものが作れるんなら―――」
「……私がサーヴァントになる以前は全く料理などしていない、とも取れる言い方ですね」
「いや、そんなこと」
 言い淀むその姿に、思わず笑みを漏らす。

「……からかってるだろ。ライダー」
 憮然とした表情で、少女。

「ええ」
 涼しい顔で確と言う。力関係からいって、この家で私がからかえる様な相手はこの少女しかいない。
 大体にして、ここ最近のストレスの原因は彼にあるのだから。
「これくらいしても、ばちは当たらないと思います」
「なんだそれ」
「いえ」
 言葉を濁す。半眼で睨みつけてくる、その少女をしみじみと見やって。
「―――それにしても」
 しみじみと、述懐する。これまではこうして二人、ゆっくりと話す機会は持てなかったとは言え。
 改めて、良く見る程に思う。

「可愛くなりましたね。士郎」
「……嬉しくないぞ、それ」

 半ば憮然とした態で。『彼』は答えて椀を啜った。











「あれはね、要するに服みたいなものなのよ」

 ―――渋い顔で言い放ったリンの言葉に、サクラも同じく渋面で首を傾げた。その身に膨大な魔力を蓄える私のマスターは、しかしリン程には魔術知識が足りていない。
 それでも、つい数時間前までの狂態、茫然自失と言う態からは脱却できた様ではある。
「服……ですか?」
「そう。服、殻、器―――この手のものは色々総称があるけど、この場合はそれが一番相応しいかな」
 魂を収める人形。
 無数の用途と種類を持つそれは、少なくともここ、極東の島国に於いては決してありふれた物では無い。多少問題が有るとは言え、その一つをトオサカの家が遺していた事は僥倖だったと言える。
「あいつの魂は―――第三魔法の結晶だからね。これまで『飼育例』なんて無いし、どんな『人形』が相性が良いかなんて分からない。
 下手に扱う訳にはいかない。けど、普通体から離れた霊体なんてのはありとあらゆる意味で『弱い』の。……わたしが教会から戻って来るまでの間、あのままで放って置く事は得策とは思えなかったから」





 あれからもう、半年が経っていた。

 サクラとリンを助けたその後。柳洞寺地下、大聖杯から私が回収したエミヤ士郎の魂。
 アンリ・マユの、黒い―――しかし柔らかな光の繭に包まれた、半霊体の胎児。
 殆ど完全な形で抜き出された、ヒトの魂。ある意味魔法の結晶とも言うべきこの命は、とにかく手が掛かる『子供』だった。
 リンの技術、サクラの魔力。それらを結集しても、現状を維持するのがやっとで。リンが一度ロンドンへ渡っていた時は、サクラは殆ど不眠不休で彼を見守った。
 そこまでしても。いや、リンが何とか協会の審問を逃れ、帰国してきても。彼の魂は全く育たず、それどころか徐々に弱っていく様に見えた。
 最後の手段として、リンが手持ちの『人形』に彼の魂を移したのは二ヶ月前のことである。
 ……士郎のことを協会に明かせば、それこそ最高級の『人形』でも用意してくれただろう、とリンは言う。

『もっとも、それから先も未来永劫、文字通りの人形扱いだったでしょうけどね』

 それは一生を魔術師たちの研究材料として生きるという事でもある。吐き捨てる様に言った言葉は、今の『彼』が魔術師達にとってどれだけ貴重な存在であるのか―――そして、その治療を外部に頼らず、私達だけで行う必要があると言うことを、明確に示唆していた。
 士郎の魂が定着するのを待つ間も、二人は安穏としていた訳では無い。遠坂の宝石と、気は勧まないながらも間桐の家の蔵書探索―――それもこれも、出来る限り良質な『人形』を手に入れる為に必要だったからだ。
 無数の宝石と、魔術書。加えて両家の技術、ノウハウといった有形無形の財産を掻き集め、二人はまとまった金額を得た。
 それこそ、封印指定の魔術師の手による人形ですら買える金額を。
 一月は掛かるという、その依り代の探索と調整。リンがその調達に発つ数日前になって、妙な事態が起きた。
 長い間手を掛け心を砕き、やっと事態が進展するという矢先にこの事態である。

 ……サクラが取り乱す理由も、分からないでは無いのだけど。





 リンは嘆息する。隣の襖にちらり、と目をやり、

「あのままだと魂は絶対『風邪をひく』。だから『服』を着せた。ここまでは良い?」
「……はい。でも、」

 投げられた言葉に不承不承、といった態で頷くサクラ。
 咎めるかの様な視線。
「そんな顔しないでってば。説明はまだ終わってないんだから」
 こちらも劣らずの渋面で、リン。彼女にしてみても、今の事態は不本意なのだろう―――全くトラブルを予想していなかった訳では無いのだろうが、想像力にも限界がある。
 
 ―――私としても。正直、面食らってはいるのだ。
 一番付き合いの深かったサクラにとっては尚更だろう。

「続けるわよ。……隠しても仕方ないから、言っとく。あの身体は粗悪品では無いにしたって、あんまり良いものじゃないわ。多分、一年と保たないと思う」
 ―――血相を変えるサクラを、手で制す。
「リン、続きを」
「……ありがと。
 で、もう一つ。あれをなんで『服』なんて呼んでるかって言うとね。あれは本来、士郎の魂には馴染まない物なの。
 人形にも属性、相性ってものがある。普通魂を『移らせる』時は出来るだけそれが一致するものを選ぶんだけど。士郎には、わざと『合わない』身体を選んだの」
 まあ、選択の余地も無かったんだけどね、と。
 そう結んで、湯飲みを口へ運ぶ。
「何か、理由が……あるんですよね?」
「当然じゃない」
 釣られ、リンの声も険を帯びる。……確かに。幾ら彼の事を気遣っているとは言え、先程からサクラは興奮し過ぎだ。

「サクラ、静かに。―――彼が起きます」

 遠回しに、宥める。視線を僅かに開け放たれた隣室、そこから覗く顔へと向けて。
「今の士郎には、眠る事が何よりの薬です」
「……わかってます」
 俯いて。
 ごめんなさい姉さん、とサクラが呟く。その呼び方に、いつもの様に―――そろそろ、慣れても良いのではないかとは思うが―――顔を赤らめ、視線を逸らし。
「いえ―――私の言い方も、ちょっと回りくどかったわ。そうね、簡単に言う」
 気を取り直す様に息を吐き。

「士郎がもとの姿にならないだろうって事は、予想が付いた。と言うか、わざとそうしたの。出来る限り早く、協会から状態の良いのを持って来るつもりだけど……万が一、その間に士郎の魂が身体の方に固定されるとまずいから」

 魂と肉体は独立したものでは有り得ない。心は肉に、肉は心に。それぞれ深く繋がり、互いに影響を与えるものだ。士郎の様な、本来有り得ない『魂そのもの』の状態はあくまで例外である。本来、一度癒着した魂を無理に引き剥がすことは難しい。
 それに、その度合いによっては仮初めの肉の、遠くない死に心が引きずられて行く事にも成りかねない。
 ―――ゾウケンの様に。
 そのために、もともとの魂の形―――エミヤ士郎の姿を、わざと模さなかった。体との繋がりを、出来る限り浅くする為に。
「だから今の士郎は、投影魔術どころか碌に動くことも出来ない。あくまであれは単なる服、魂を守るカラであって身体じゃないから。慣れれば日常生活位はこなせるでしょうけど、わたしが帰ってくるまでは出来るだけ安静にさせておいて」
 言い放ち。
 話は終わり、とばかりに腰を上げる。―――と、

「―――でも。あの、姿は」

 困惑の声。サクラが取り乱したのは、彼が似ても似つかぬ姿になったから、と言うだけでは無い。
 或る意味、似過ぎていたからこそ。彼女は混乱している。
 言わんとするところを察し、リンはサクラに向き直る。何処か苛立だし気に視線を伏せて、
「第三魔法の、使い手の影響でしょうね。……いや、聖杯そのものの、かな」
「―――じゃあ、やっぱり。今の先輩は」
 不安な眼差し。
 
 ―――かつて、共に暮らした事もあった。
 好かれてはいなかった。
 嫌いではなかった。
 そして。
 結局、自分が原因で命を落としてしまった。

「うん。多分……推測だけど」
 短い答え。襖から覗く、彼の姿を。
 銀髪の少女に、視線を落とし。


「今の『士郎』には、聖杯の―――イリヤの魂が混ざってる」


 ―――と。
 トオサカリンは、確たる口調で静かに告げた。











 その後、色々と準備―――自分が居ない時の為の士郎に掛ける『保険』の用意や資金の整理、奇妙な縁の有った教会への手続きなど―――に追われ、リンは倫敦へと飛んだ。
 それから丁度一ヶ月。予定の内ではあるが、未だリンは帰らない。
 ……結局のところ、士郎用に調整しなかったこの人形が、イリヤの魂には殊の外相性が良かった、ということらしい。中身の方は性格から口調から、士郎そのものではあったけれど。外見の方は完全にイリヤに引き摺られている。
 『彼』を見やる。バーサーカーのマスター、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。士郎やサクラ達と敵対の末に協力し合い、最後は自ら聖杯となって士郎を救けた少女の姿。
 聖杯戦争の折は、直接接する機会は殆ど無かったけれど。その幼いながらも怜悧な美貌が、呑気な顔でお茶を啜る図というのは、中々に新鮮だった。
 士郎が意識を取り戻し、会話出来る程にまで回復したのは二週間前。今ではこうして自分で移動し、食事を取れる様にもなった。
 
 ……私とリンが心配したのは士郎だけでなく、サクラも同様だった。今の彼の姿は、間接的にとは言え、サクラが死なせてしまった少女の姿だ。
 サクラが自責に潰されてはしまわないだろうか―――と。正直なところ、私もそれを懸念していたのだけど。
 さに非ず、三日ほどでサクラは立ち直った。『イリヤちゃんは先輩の中に居るんでしょう?なら先輩と一緒に、ずっと一緒に、幸せにしてあげるんだから』―――ヒトの悪夢の結晶、アンリ・マユに一度は取り込まれ、その底を覗いたこと。そしてリンと共に暮らしたこの数ヶ月が、彼女を変えたのだろう。今のサクラは自身の罪を自覚しながら、それに押し潰されるのではなく、償い立ち向かう強さを備える様になっていた。
 ……それは、彼女のサーヴァントとしては喜ばしいことではあったのだけど。

「……あー。悪い、ライダー」
「いえ。これは士郎のせいではありませんから」
 苦笑する。そう、これはサクラの悪癖だ。

 好意からの献身がしばしば度を越える事。
 そして、一度心を許した人間には割とストレートに不満をぶつけてくる事。

「むしろ、私は嬉しい。サクラは『拗ねて見せる』程度には、私を信頼してくれているのだから」



 ……それは士郎が何とか日常生活を送れる様になって数日が経った或る日の夜に端を発する。エミヤ邸のもう一人の同居人、タイガがサクラを呼びつけたのだ。

「桜ちゃん。あなたは全快したみたいだし、イリヤちゃんも大分良くなったわ。そろそろ学校に行かないと」

 聖杯戦争直後。生き残った三人は三人とも、満足に生活を送れる様な状態では無かった。士郎は言うに及ばず、サクラもリンも心体共に疲労の極致で。
 何とか動ける様になったかと思えば『士郎』の世話と協会の審問。特にサクラは日本に一人残され、慣れない大魔力を抱えた不安定な身体と精神状態のまま、日々を送っていた。
 詰る所、学校などには碌に行っている余裕は無かった。ただ一人の―――公的な、という意味でだが―――家族であるシンジもこの世に無く、彼女自身も『謎の災害』に巻き込まれ傷を負い。そんな状況だからこそ、タイガも今まで何も言わなかったのだろうけど。

「……藤村先生。でも、私は」
「これ以上欠席が続くと、留年するわよ」
「う」

 見も蓋も無い未来予想図に、サクラが呻き声を上げる。タイガは畳み掛ける様に、
「士郎だっていつ帰って来るか分からないんだから。どうせなら一緒に卒業したいでしょ?」
「それは……」
 言いよどむ。
 エミヤ士郎は、現在日本には居ない。少なくとも公には、そういうことになっていた―――かつてここに間借りしていたエミヤキリツグの古い友人、その実士郎のサーヴァントであったセイバー。彼女と共に、英国を訪れている。それが表向きの事情である。

「全く。何も言わずに外国行っちゃうなんて薄情な奴だよねー。何があったか知らないけどさ」

 士郎への愚痴へと切り替わる、タイガの言葉を横で聞き流しながら。 
 思い出す。サクラは常々言っていた。『もしかしたら、来年は先輩と一緒に学校行けるかなあ』―――夢見る様な瞳で。
 詳しくは分からないが、これ以上学び舎に赴かないとそれが叶わなくなる、ということらしい。
 それは、嫌だ。
 主の望みには、出来る限り応えたい。
 だからこそ。
「ねえ。ライダー、そろそろサクラちゃんも学校行ったほうが良いと思うよねー」
 軽い口調で投げ掛けられた、タイガの言葉に。

「ええ。―――サクラ、イリヤの面倒は私が見ます。サクラは学校へ行って下さい」

 そう、答えたのだけど。
 答えたその時の、サクラの眼。



「……負けたと思いました」
「……ライダーがか」
「はい」

 重い沈黙が居間に満ちる。―――正直、あれは思い出したくも無い。
 それから一週間。全体的に―――特にサクラが学校に行っている、昼間。妙に主から送られてくる魔力が乏しいのは、恐らく気のせいでは無い。
 その不幸中の幸いとでも言うべきか。食事というものの必要性が私の中で急激に増した御蔭で、こうして『病人』の空腹を塞ぐ位の物は作れる様になったのだけど。

「……眼と言えば。ライダー、今掛けてるのって」
「―――あ、あまり見ないで下さい」

 慌てて、俯く。……すっかり忘れていた。
 この姿で士郎の前に出るのは初めてだ。説明が必要だろう。
 ……さもないとまた、サクラが逆上する様な事態になりかねない。

「リンが出発前にくれた魔眼殺しです。普通の生活を送るには、私の眼は物騒過ぎるので」

 『その封印じゃ人目を引き過ぎるからね。ただでさえライダーは目立つんだし』―――トオサカの家の宝石を捜す際、死蔵品の一つとして見つかった魔術道具。確かに私の『暗黒神殿』は曲がりなりにも宝具である。大っぴらに着けたまま生活するには物騒に過ぎる代物だ。
 サクラが学校に通う様になり、私が食料品などの買出しで外出することも多くなった。その為に先日から、慣らしの意味もあって使い始めたのだけれど。
 今まで宝具で封印していた私の眼を、逸品とは言え通常レベルの神秘で封印し切れる筈もなく。

「……あまり、見ないで下さい」
 再度、懇願する声に。
「なんでさ。似合ってると思うけど」
 返る答えに、頬が紅潮する。……もしかして、もう見られてしまったのだろうか。

 ……それは、まずい。いけない。

「……これでは封印が弱いんです。私も抑えてはいるのですが、その―――」
 リンは士郎の身体と一緒に、もっと強力な魔眼殺しを調達してくると言ってくれたけれど。今のところは、この眼鏡では魔眼を『殺す』までは至らず、『歪め』るのが精一杯だった。流石に即、石になったりはしないのだけど。

「……呪縛、と言うか。魅了の魔眼になっているみたいで」

 今の士郎は女性体ではあるが、そんなものは関係無い。なるだけ前髪を垂らし、視線を遮る様にしてはいるけれど、
「外に出ると、皆がじろじろと……リンが来るまでは、耐えるしかないですね」
 嘆息して言った台詞に、
「いや……それ、別に魔眼のせいだけじゃないと思うけど」
 どこか呆れた様な、士郎の答え。
 ?―――どういう事だろう。
「まあ、あまりライダーの顔を見ないようにすれば良いんだな?」
「はい。そうしないと、私も士郎もサクラに石にされますので」
「……それ、洒落になってないぞ。ライダー」
 洒落を言ったつもりは無いのですが。

「―――にしても。ライダーには本当に世話になってるな」

 話題を変える。
 その気持ちは良く分かったので、素直にそれに応えた。
「お気になさらず」
 最初は慣れなかったものの、戦いの無い平和な生活というのも。これはこれで、悪くは無かった。
 加えて言うなら、エミヤの家の住人は。サクラを始めとして、好ましい人間ばかりで。

「姉が妹の面倒を見るのは当然でしょう?」

 冗談混じりに言った言葉に、
「――――――」
 何故か、士郎はまじまじとこちらを見やって。
「……ああ、そうだな」
 どこか寂しそうな微笑を、返した。


 ―――ふと、その時。何かが心に引っ掛かったのだ。











「……いや、確かに外に出たいといったのは俺なんだけど」
「往生際が悪いですよ、士郎」

 至近距離から呟く声に、至近距離から答えを返す。
 長い塀を抜け、坂を上る。中天に昇った太陽は熱く、少女に帽子を宛がったことを幸いに思う。
 殆ど車の居ない歩道を進み、商店街へと足を踏み入れる。―――途端。

「士郎。何やら注目されています」
「そうだろうな。俺でも注目する」

 半ば投げやりな声。
 周りにひしめく、店々。私も度々訪れる、そこの客達が眼を丸くして私達を注視している。
「……何か目立つ要因でも有るんでしょうか」
 見当が付かない。訝しみの答えを返す。
 何故か、士郎は吐息した様だった。

「……イリヤみたいな女の子がライダーにおんぶされて歩いてるんだぞ。普通は目立つ」

 士郎を背負ったのは私の提案だ。何とか歩けはするが、階段は心許無い―――そんな体調の人間を、迂闊に外に出す訳には行かない。
 幸い私にとっては、今の士郎一人分位の重量は苦でも無い。名案だと思ったのだけど。
「言われてみればそうですね。今の士郎は美人ですから」
 からかう様に言った声に、―――吐息。

「……士郎。首に息を吹きかけないで下さい」
 思わず落としそうになってしまったではないですか。

「わ、悪い。―――ところで、ライダー」
「はい」
「鏡を見たことってあるか?」
「鏡ですか」
 真意が掴めない質問ではある。例え話か何かだろうか。
「いえ、あまり。私に纏わる伝説は知っているでしょう?普通の鏡では問題ありませんが、どうも苦手なので」
 正直に答える。―――背中で三度、嘆息する様な雰囲気があった。
「……?心理テストでしょうか?」
「いや、確認。……ライダーはあまり人の見かけを褒めない方が良いぞ」
 良く分からない事を、士郎は言う。曖昧に応え、商店街を抜けた。
 あまり背中に振動が伝わらない様に、ゆっくりと―――のんびりと、歩を進める。
「こういうのは、久し振りですね」
 というより、初めてかもしれない。道も半ばにして、漸くそんな事に気付く。
「何がさ」
「ゆっくり歩く事が、です。いつも移動は迅速に行っていましたから」
 というか。騎乗兵のクラスとしては当然の事なのだけど。
「そっか。……こういうのも、悪くないだろ?」
「ええ。新鮮で、楽しい」
 素直に答える。「そっか」―――とても、自分の事の様に。楽しそうな、士郎の声。
「はい。新鮮といえば、もう一つ」
「ん?」
 誰何の声に。「今更ですけど」、前置きして答える。

「私にも、妹がいる様で。なんだか、とても嬉しい」

「……なんか、複雑だな」
 苦笑染みた答え。まあ、外見は少女でも中身はエミヤ士郎―――れっきとした男性なのだから、今の状況は手放しで喜べるものではないのだろう。
「私は、末っ子でしたから」
 その上、英霊として祀られて後も―――当然だが、「誰かの面倒を見る」等という行為はした憶えが無い。
 召喚した人間が誰であれ、平和な場所に魔眼持ちの反英雄などはそぐわない。それを考えれば、今のこの生活は奇蹟ですらある確率の基に成り立っていると言えた。
 
 マスターがサクラでなければ。
 聖杯がアンリ・マユを取り込んでいなければ。
 ……士郎がサクラのことを諦めていたら。
 
 私はどうなっていただろうか。ふと考えに耽る。サクラ以外の人間がマスターだったなら、私は恐らく他のサーヴァントに敗れ、消えていた確率が高い。仮に生き延び聖杯を手に入れてたとしても、あんな物騒なものは私には扱えない―――扱う気もない。
 結局のところ今回の聖杯戦争は私にとって、どの道無益に終わる筈だったのだ。
 そして、士郎。彼が大聖杯に赴かなければ、私は一人でサクラの元に向かい―――確実に消えていただろう。その場合、少なくともこの街くらいは灰燼に帰している筈だ。
 無数の要因、多くの偶然が積み重なって今の生活がある。そしてこれは、在っただろう結末の中では恐らく最高の一つに違いない。

 穏やかで、幸せな。好ましい人達との、生活。

「ライダーの、お姉さんか」
「ええ。上に二人―――知っての通り、あまり幸せにはなれませんでしたけどね。
 それでも私にとっては、大事な―――優しい、姉さん達でした」
「……そっか」
 沈黙。
 もっとも、―――私自身が言うのもなんだが―――英霊にとって『生前』の事などはあまり大したものでは無い。……彼の様な、例外は有るにせよ。既に終わったこと、遠すぎる事象であるというのも勿論だが、そもそも英霊に『祀られた』時点から遡って付加された『伝説』も多く。この私自身もそのイメージに取り込まれているからだ。
「でも、覚えています。その時からずっと、下の兄弟が欲しかった事を」
「へえ。ライダー、意外と世話焼きなんだな」
「ええ。暇な時に、苛めて遊べるでしょう?」
「……ライダー。それ、冗談になってない」
 一転、鬱々とした声で、士郎が答える。
 現在進行形で『苛められている』身としてはそう思うのも無理は無いかもしれない。

「サクラ達のあれは、友愛の表現ですよ。苛めている訳ではありません」
「分かってる。分かってるけど、あれはなぁ」

 彼には珍しい、弱りきった呟き。
 思わず、苦笑を洩らして。
「あの二人は多分、元の姿に戻ってからもあんな感じですよ。早めに諦めるのが士郎の為だと思います」
「……結構ライダーも言うよな」



 士郎―――『イリヤ』は現在、表向きは私、ライダーの妹としてエミヤ家に駐留している。順番的にはむしろ、私がイリヤの姉と言う位置付けなのだが。 
 二人共に、士郎の養父のエミヤキリツグ―――彼の生前の知己として、つまりかつてのセイバーと同様の口実だ。結果として現在、この家には『慣れない外国で体調を崩している病弱な妹とその姉』、加えて『原因不明の事故で家族を失い、タイガに頼み込んで家主不在のエミヤ家に間借りしている』サクラ、『不幸な目に遭った妹を心配した』リン、最後に(私を除く)未成年者の纏め役としてタイガ―――の計五人が暮らしていることになる。
 『こういう時、親が正体不明だと得だよな』というのが息子の言だ。
 そんな経緯を捏造したのは、リン曰くタイガを初めとした士郎の知人友人達に疑念を持たれない様に、とのことで。それ自体は確かに、もっともな説得力があったのだけど。



「やたらに触ってくるわ、抱きしめてくるわ……遠坂なんか、一緒に風呂に入ろうとするんだぞ」

 あれは拷問だ、と士郎は呟く。……いざ入ろうとすれば、リンは真っ赤になって怒るに決まっているのに。
 確かにこの単純さなら、からかいたくもなるなと思う。
 そう言えば、以前リンは士郎を苛めようとして、タイガとの入浴を勧めた事があったが―――タイガその人が、乗り気になってしまい。結局、二人きりで入浴された上に『隅々まで磨かれてしまった』一件は記憶に新しい。その時サクラやリンが見せた様子を、きっと彼は怒り、軽蔑の類だと思っているのだろう。

 あれは傍目にも分かり易い、後悔と羨望の色なのに。

 ……まあ。
 振り向き、至近に在る少女の顔を見やる。

 煌き零れる、長く流れる粉雪の髪。
 大きな、綺麗な紅玉の瞳。
 すべすべと手触りの良い、絹の肌。
 転がり弾む、鈴の音の声。

 もともとイリヤスフィール自身が相当な美少女なのだ。この上中身がエミヤ士郎―――生真面目でからかい易い性格の、何より彼女達が好感を抱いている少年―――となれば。
 精神的・肉体的共に。

「……突っついてみたくなる気持ちも、分かりますけどね」

 リンの場合は―――ああいう性格だ。士郎は『赤いあくま』などと称していたが、言い得て妙である。大抵の説話において、悪魔は混乱を第一義として行動するものだ―――彼女の場合も然り。ただリンの場合、その結果よりも手段の方を優先させる傾向がある。
 結果として、自分も混乱に巻き込まれたり不利益を被ったりする。
 そもそも行動基準が、『楽しいから好きな男の子をからかう』なのだ。
 口にはしないが、この辺は士郎と良い勝負だと思う。

 サクラの場合は、もっと複雑だ。と言うか、根が深い。
 士郎がイリヤの姿になってから、サクラはやけに積極的になっている。これはイリヤの姿が可愛いと言う以上に、『年下のエミヤ士郎』という存在が新鮮なのだろう、と思う。……母性本能が過剰な性格のせいもあるのだろうけれど。
 サクラにとって、今の士郎は理想の兄であり、偶像であり、好きな異性であり。自分を救ってくれたヒーローであり、相思相愛の恋人であり。
 加えて、弟であり、妹であり、被保護者であり、被介護者でもあるのだ。

「……列挙してみると、つくづくお得な人材ですね」
「人を十徳ナイフみたいに言わないでくれ……」
 げんなりとした声で、士郎が呻く。
「でも合点がいった。確かに最近の桜、ちょっと変だったもんな」
「変……ですか?」
 答える。確かにサクラは(姉妹揃って)見かけによらず激し易いし時折暴走もするけれど。
「ああ。やたら抱きついてくるし色々服着せようとするし……
 一昨日は無言のまま風呂に連れて行かれそうになった。
 昨日なんか『先輩。お願いがあるんです』ってえらく真面目な顔で言って来てさ」
「お願い?何を頼まれたんです?」

「『桜おねえちゃん、って呼んで下さい』」 

 …………何をしてるんですかサクラ。
「……呼んであげたんですか?結局」
「断ったらどんな目に遭うか分からなかったし」
 うん。多分、その判断は正しい。
「……で、どうでした?」
「鼻血出してた」
 マスターが遠い。
「あとさ……夜寝てる時、なんか妙に体が重いと言うか。
 ……まさかとは思うけど、ライダー。桜、俺が寝てる時に変なコト、してないよな?」
「まさか」
 と。
 予め用意していた、答えを返す。

 すみません士郎。

「……だよな。
 あ、ライダー。そこ右」
 呆気無く納得する士郎に安堵の息を漏らし―――心は痛むが、仕方無い―――続けられた指示に従う。
 閑散とした通り。住宅街と商店街、その隙間に嵌まる様にひっそりと在る、

「―――公園、ですか?」

 小振りのブランコ。簡素な砂場に、鉄棒、ベンチ。
 そこはただの一人として子供もいない、寂れた広場だった。
「うん。ここ。―――ありがとな、もう下ろしてくれて良い」
「あ、はい」
 背に腕を回し、小さな身体を抱き上げ―――ゆっくりと、ベンチに下ろす。そこまでやって、ふと気付く。
 どうでも良い事ではあるのだけれど。

「そういえば」
「ん?」
「私はライダーに属するサーヴァントですが」
「うん」
「乗るのではなく、乗られたのは初めてです」

 途端に噴出す士郎。……何か変な事を言っただろうか。
「ライダー。それ絶対、うちの中で言わない様に」
「はあ」
 良く分からないが、取り敢えず承諾の返事を返す。何故か赤い顔の士郎に、

「―――寂しい所ですね」

 そこを目にして、浮かんだままの感想を投げる。
 偶々だろうが、子供の一人も居ない公園というのは酷く寂寥感を纏っていた。
 祭りの後。戦場の跡。比較にはならないにせよ、どこか似たものを感じる。

 『終わったあと』。
 幕すら綺麗に片付けられた、痕跡一つ残らない―――

「―――寂しい、か」
 一転して、静かな声。
 士郎らしくない、『イリヤ』の声。
 思わず目を向ける。そこに佇む少女の瞳は、ここには無いものを見ていた。
「……うん。そうだな。寂しいかな」
 言われて初めて気付いたかの様に。
 それこそ、酷く寂しい微笑を浮かべ。
 彼は誰も居ない、隣の席に目を遣って。

「―――ごめんな、待たせて」

 酷く寂しい、声を紡いだ。











 ―――少女の身体を抱え、空を滑る。
 疾走する最中も両の腕は柔らかく保ち、殆ど完全に振動を殺している自信がある。もっとも、その自信がなければ彼を付き合わせたりはしない。

 月は中天に。
 薄く流れる雲の天蓋が、手に届く程近くなり―――

 軽い酩酊感の終わりと共に、足が大地に優しく触れた。

「眼を開けて良いですよ、士郎」

 ここまで来れば、よしんば彼女達に気付かれたとしても手は出せまい。と、エミヤ邸に眠る二人のことを思う。
 それにサクラだけならまだしも、タイガが共に居る状況ではおいそれとは動けないだろう。

「……ここ、は」

 堅く瞑っていた眼を開き、恐る恐るといった態で士郎。余程に高速・高空の移動が怖かったのか。その心細げな涙目は妙に保護欲を刺激した。
 気付かれぬ様、僅かに抱きしめる力を込める。
 暖かく、柔らかな感触が彩度を増した。

 ―――役得と、言うのだろうか。こういうのも。

「シント、とか言う地域です」
 そ知らぬ顔を装い、返す。人気のない夜には巨大な墓標の様にも見える、建造物の頂上。
 そこを囲む様に張り巡らされた柵に、外側からもたれ掛かる。鉄網に身体を預け、薄闇色の地上に視線を投げた。
「新……って」
 眼を丸くして、腕の中の少女が呟く。呆然とこちらを見上げ、
「うちを出てから、まだ数分も―――」
「ライダーのサーヴァントを、甘く見ては困ります」
 素直に驚いてくれるその様は、見ていて心地良い。
「リンに聞きませんでしたか?『進軍』に関して、私の右に出る者などおいそれとは居ない」
 次いで言えば、左に出る者すら結構な距離を要する。聖杯戦争中は慣れない拠点防衛に徹していたけれど。

「―――って。ラ、ライダー、変なとこに立つなっ」

 途端、慌てた声。何事かと視線を戻す。腕の中には、下を向いた少女の姿。わたわたと、激しく身じろぎし―――ぴたり、と一瞬固まった後。

「……きゃっ!?」

 思わず、変な声を上げてしまう。一転、微かに震えながら強く胸元にしがみ付く『彼』を見やって、
「しロう……!へ、変なところを、」
「ライダー……早く、柵の中に」
 裏返る言葉に、怯えに揺れる声が返る。動転しながらも、有るか無いかの足場を蹴って。
 ―――堅い音を立てて、固い大地に降り立った。

「……入りましたが」

 事態が掴めない。混乱しながらも投げた言葉に、漸く襟元の手が緩む。
 細く、深い吐息。
「……驚かさないでくれ。死ぬかと思った」
 掠れた声で抗議して来る士郎に、
「―――高い所は苦手なのですか?」
「普通の人間は、ビルの屋上から下を見れば足が竦むんだよ」
 尋ねた言葉に答えが返る。……成る程。私は殊移動―――進軍に関しては、それこそ虚空を『踏む』事すら可能である程に長じている。
 正直、士郎の感覚は良く分からないのだけど。
 

 ……面白いかもしれない。
 

 些か濁った閃きが、心の中に湧き上がる。エミヤの家の中。高い食器を扱う時の様に、慎重に士郎を地面へと下ろしながら。
 私は知らず、微笑を浮かべながら懐のそれへと手をやっていた。









 翻る羽根は白く。淡雪の様に、虚空へと落ち消える。
 その翼と同じ、真白い躯。細く長いその首筋を抱きしめる様にして微塵も動かない少女の姿に、苦笑する。

「……士郎。その格好は、却って危ない」

 後ろから見るその姿ははっきり言って滑稽で。どこか見る人を微笑ましい気分にさせるものではあったけど。

「……だって、ライダー……」

 震える声。呼び出した天馬に共に騎乗し、既に五分程が経過しているのだけれど。
 高い、と一言呟いてから士郎は全く動こうとしない。―――人間は皆、ここまで高所が怖いのか。それとも士郎は特別それが酷いのか。
 何にしても、このままでは埒が開かない。私は別に、士郎を苛める為に宝具まで持ち出した訳ではないのだから。
「――――――し、」
 呼びかけ、手を伸ばしかけて。
 ……ふと。見慣れない感情が首をもたげる。
 気付かれない様に、そっと、腰へと手を伸ばし。

「―――失礼します」
「……―――っひゃ!?」

 縋る首から引き剥がされて、珍妙な声で少女は叫んだ。構わず持ち上げた彼を抱きしめる様に、私の体を椅子の背もたれの様にして『座らせる』。
 すかさず綱を手繰り、天馬の首と私との空間を詰めて、その間に士郎を挟み、固定する。
「……大丈夫ですか?」
 驚きと恐怖で声も出ない、といった態の少女に、その背後から問い掛ける。
 ……流石に悪戯が過ぎただろうか。不意打ちでやる必要は無かったのだから。
 ぎぎぎ、と。壊れた人形のような動作で、ゆっくり士郎が振り向く。

 泣きそうな。心細そうな、寄る辺を探すその瞳。
 桃色に染まった白皙の。

「―――すいません。驚かせてしまって」
 そんな少女に謝りながら。言い様の無い罪悪感と共に、心の内で。
 
 ―――甲斐は有った、と。

 無言のままに。
確信と。主への共感を握り締めた。











 終わったあとのその場所で。

『ここで話したんだ。こいつと』
 自身の胸に手をやって。眼を伏せ、感情の篭らない声で。
『俺と親父を殺しに来たんだ、って。笑って言ってた』
 思い出すのも辛いことだろう。
『わたしのバーサーカーは強いんだよ、って』
 なのに、今の彼は思い出す。
『一回約束をすっぽかした事があって。その時はうちに招待して謝った』
 鏡を見る度に。
『知らないうちで緊張してるとこは、本当にただの女の子で』
 名を呼ばれる、その度に。
『その後、俺が……逃げてきた、事があって』
 彼女のことを、思い出す。


『正義の味方になるなんて、簡単なことだって』
『笑って、俺を励ましてくれたんだ』
『あいつが居なかったら、今頃俺は』
『―――』
『……どんな気持ちだったんだろうな』
『復讐と、聖杯の為だけに生まれて』
『唯一の友達にも剣を向けられて』
『最後には、みんなの為に』
『俺の為に、自分から』
『…………』

 『行きたい所がある』と。
 その場に自ら足を運んで、後悔に囚われ。
 塞ぎ込み、視線を上げず。
 それこそ天空高くから堕ちる様な暗い影を纏う少女に。

『―――士郎』

 深夜の誘いを掛けたのは。
 単なる、思い付きだったのだけれど―――







 ……流れる様に緩やかに、黒く沈んだ虚空を渡る。
 考えてみれば。戦闘以外の目的に天馬を―――宝具を用いたことなど、殆どなかった。ましてや遊覧目的でなど。
 この様な事に宝具を使ったサーヴァントなど―――いや、英霊など。恐らく空前にして絶後だろう。無尽蔵に魔力を供給されるこの身だからこそ出来る、ある種とんでもない贅沢ではある。
 目的地のない、目的すら定かではない夜空の散策。

「……こんな、高くから」

 至近の少女が、小さく呟く。あれから二十分、怒っていたのか拗ねていたのか。無言のままに眼下を見下ろしていた士郎が、漸く口を開いた。
 こちらも無言のままに、続きを待つ。
「……冬木の街を見下ろしたのは、初めてだ」
 夜も半ば。明るい月と星の光に朧に照らされて、私達の住む街はその寝姿をぼんやりと浮かび上がらせている。
 『騎英の手綱』で一気に駆け上がった、星を掴める程の空。肌寒い程に清涼な夜の中、真白の呼気を纏わせて。
 明かりは少なく、だが確かにその薄闇の海の中で淡く輝き。
 まるで。大地と空とが逆しまになったかの様な。
 夜空の『星』の海。その最中を渡る。

「―――サクラ達は」

 ―――何か、答えないと。
 不意の言葉に不意を突かれて。
 胸中、焦り。間を保たせようと、思わず、脈絡の無い事を口走る。
 指差す先。そこそこ大きな、しかし箱庭染みて見えるエミヤの家。
「まだ、眠っている様ですね」
 明かりの灯っていない、その事を指摘する。……もし点いていたら、何とか気付かれない内に戻らなくてはならないのだけど。
「うん……ばれたら、何を言われるやら」
 同じ様なことを考えたのか。微苦笑で振り向く彼に、こちらも笑い返す。
「大丈夫ですよ。一応、手は打っておきましたから」
 タイガは寝起きはともかく、寝付きは驚くほどに良い。こちらには敢えて細工をする必要は無かった。
 問題は士郎の部屋に忍び込みかねない、我が主だけれど。

「……きっと今頃、良い夢を見ている事でしょう」
「そう願う」

 確信を持って答えた保証に、願望の答えが返る。まあ、こんな能力を逐一説明する気は無い。
 またも、沈黙。
 天馬は先程からずっと、ミヤマとシントを旋回する様に飛んでいる。それというのも、特に理由は無い―――強いて言うなら、エミヤの家の様に。私と彼とが知る共通の建造物や場所が、この会話の取っ掛かりになれば、と、願ってのことだった。そもそもこの『散歩』の意味が彼への慰めにあるのか。単に気晴らしの為なのか。それとも一喝でもする為なのか。
 提案した本人が理解していないのだから、会話する意味などあるのかどうか。
『……身体が冷える前に、帰った方が良いのでしょうか』
 ―――考える間にふと、思う。

 ……これでは、主の良人を誘惑しているだけの様な気がする。

 と言うか、客観的に見たらまさにそれだ。
 二人きりだし。
 しっかり抱き締めているし。
 主には策を弄して眠らせているし。

『…………』
 ああ、だんだん危ない気がしてきた。
 帰った方が良いのだろうか。
 士郎も何も言わないし。……私と二人きりでは、居心地が悪いのかも知れない。
『……帰ろう』
 手綱を握る手に力を込め。
 旋回を遮り、一番近いビルの屋上へと首を向け―――

「―――ライダー」

 視線は向けないままに。
 掛けられた声に、手綱を止める。
 ふらり、と。瞬きの間だけ、コントロールを失った天馬が揺れて。
 軽い音を立てて、士郎が背中から私へと倒れこんできた。
「あ―――士郎」
 申し訳ありません、と、出掛かった言葉を飲み込む。
 ―――腕だけで抱き留めていた身体が、胸元にゆっくりと沈み込んできた。
 成す術もなく乳房を枕に抱え込む。胸元からは銀糸が零れ、風に流れて落ちていく。

 ……彼は慌てず、動かず、離れようともしない。

 不思議と、狼狽もせず。ましてや、嫌悪感など起きる筈もなく。
 妙に穏やかな心持ちのまま、無言のままに、空を漂う。

「―――ありがとうな」

 心配してくれたんだろ、と。
 背中を預けたそのままに、視線は向けずに小さな声で。
「……士郎」 
 呟く少女の小さな肩に、頭を預ける。

 ―――自分でも驚く程に、頭は冷静なまま。
 静かに抱き締め。折り重なる様に『彼』を包み込んだ。

 何となく、伝わって来る様な気がした。
 今の彼が、本当に―――年相応の、弱い少女そのものに見える、その訳が。

「―――妹の」

 『彼女』が。
 この少女が間近にいる私達だからこそ、それが痛い程に分かる。
 彼の痛み。彼の傷み。
 私と士郎、サクラと士郎の様に。
 士郎と、イリヤスフィールも、また。

「妹の様に、思っていたのですね」

 微かに震える。胸元で何かが動く感触。―――それが小さく首を振ったのだと、程無く気付く。
 視線を落とす。俯いたままの、彼。


「―――イリヤは」


 短い、回想の欠片染みた言葉。それが、
「……言ってた、士郎は」
 小さな嗚咽と零れる涙の賜物だと。
「わたしの、弟、だから」
 呆と。気付いて、彼を見る。
「お姉ちゃんが、助けるのは」
 記憶には無い。そんな経験もないけれど。
「当然じゃ、ないって―――」
 幼子をあやす様に。
 震えて泣く子供を、ぎこちなく抱き締めて。


「泣きなさい。……貴方にはきっと、その資格が有る」


 私に出来る、精一杯の。
 心からの、労いを囁いた。




 せめて、この不出来な姉の懐が。
 立派な姉を失った。私の自慢の妹の、慰めとなります様にと。















「―――彼女も、セイバーも。きっと、未練なんてない」

 ほのかに白み始めた朝の靄を抜ける。
 夜は明けようとしている。……彼の心の内。刻まれた傷跡も、少しは癒えることが許されたのだろうか。
 一度は剣を交えた、もう居ない彼女のことを想う。


 セイバー。士郎のサーヴァント。敵に捕らわれ、剣を翻した。
 最後には。士郎が自身で、その命を貫いた。
 ……本望だったと思う。誇り高き騎士王の彼女。どんな理由であれ一度、主に剣を叛けてしまった以上。
 これ以上偽りの生にしがみ付かせるのは、彼女にとって最悪のユメだった筈だから。
 それに。あの聖杯では、きっと彼女の望みは叶わない。理由もなく、しかし確かにそう思う。
 この地では叶わなかったけれど。いつか彼女は、誰でもない、自らの手で聖杯を手にするだろう。
 その先で、何を決断するにしろ―――

 
 ……彼女の名前を出したのは。物言わぬ『イリヤ』の姿に責め苛まれる彼の姿に、確とした未来を見てしまったからだった。
 今の彼には、彼女よりイリヤの方が近いだけ。その傷跡が和らげば、今度は剣の英霊のユメが彼を責め苛む。
 

 彼は剣で出来ていて。
 無限の剣は内へと向かい、硝子の心を傷付ける。


「いずれ傷跡は消えます。その声を、姿を、仕草を……忘れる、時が来ます」

 それを願う様に、伝える。
 ―――私には、不相応だと思っていても。
「だけど」
 それは、サクラの役目だと。思っているし、分かっている。
 ―――けれど。私にも。

「……覚えて、おきなさい。イリヤのことを。セイバーのことを」

 剣に纏い、共に在る。

「彼女達と過ごした日々、彼女達を好きだったということを」

 脆く鋭い、硝子の剣。その鞘の、代替品くらいなら。
 自ら流す、朱の涙を拭い去る。
 かつての彼の、腕を纏った。

「それだけで、きっと二人は救われる」



 彼を護った、真紅の布の代わりなら―――



「―――士郎には、三人も性悪の姉がいるのですから」
 ……赤く火照った顔は向けずに。
 柄ではない説教を、愚にも付かない願望を。二つを共に、誤魔化すかの様に。

「傷跡を眺めて泣いている暇など、与えません」
 柄では無い、冗句を。背を向けたまま、言い放った。

 ……真下から感じる、強い視線など黙殺したまま、空を翔る。
 未だ薄暗い街の中、点々と白い明かりが灯り始めて―――
 ―――見覚えのある館にも、久方振りの光が灯る。
 士郎も気付いたのだろう。顔へと注がれていた、熱い重圧が消える。恐らく一緒に、眼を凝らし。

「あ。遠坂」
 窓から覗く、疲れ切った表情のリンを視認した。

 多分、あまり穏やかでは無い方法で帰国して。妙な時間帯に着いてしまったので、エミヤ邸に行く前に一服しようと言ったところなのだろう。
 まあそれ以上にリンのことだ。旅の埃を払ってからでなくては、私達の前に姿など現さないのだろうけど。
 ―――けれども、それより目を惹くものは。
 傍らに在る、一抱えほどの人のかたちを模した―――

「……首尾は上々、の様ですね」

 これで。
 もう、『この娘』ともお別れかと思うと。
「―――少々寂しくはありますが。これで、サクラも安心でしょう」
 本人も、周りの人間も。
 何よりも彼女のサーヴァントである自分が、夜這いを手伝う必要も無くなるのだから。

 ……ああ、これは本当に安心したかもしれない。

 割と本気で、胸を撫で下ろす。
「士郎。どうします?」
 胸の内―――どうでも良いが、未だに抱き締める様な格好のままなのは流石に拙いのでは無いだろうか―――の少女に問い掛ける。折角だから、うちへ戻る前に顔を見せに行くべきだろうか?勿論、天馬からは降りた上でのことだけど。
「―――ん。そうだな」
 暫しの沈黙の後。
「あいつも疲れてるだろうから。軽く顔だけ見せて―――」
 
 とっておきの朝食を、御馳走してやろう。
 
 満面の笑顔で告げる少女に、
「はい。お手伝いします」
 笑みを返した。と、思わず……想像してみたり。

 ……今の士郎が料理をすると言うことは。
 踏み台の上に立っておっかなびっくり大きな包丁を使ってみたり。
 はたまた私が士郎を持ち上げて、鍋の中身を覗かせてみたり。
 お揃いのエプロンを付けて、仲良く厨房であれやこれやと―――
「色々と」
 楽しみです。
 手綱を引き寄せ、天馬に告げる。リンの屋敷の裏、その結界に触れない様に、慎重に。
 空を滑り落ちるかの様に、静かに柔らかく落ちてゆく―――


 その、最中に。


「―――色々と」
 風の音が、耳を塞ぐその僅かな刹那。
「有難うな、」
 それでもなお、耳に聞こえたその言葉に。
「ライダー」
 照れの混じった、至近に届いたその鈴の声に。


「……お姉ちゃん」


 ―――それこそ、魂が囚われたかの様に。

 胸元からこちらを見上げる。可憐な紅の色に輝く、少女の頬と双眸を。
 

 
 愕然と。
 ……強く真っ直ぐ、凝と見つめ合い――― 















 久方振りに、主と客人を迎えた古い屋敷の一室で。

「……それでこの有様、と」

 半眼、組んだ腕、引き攣った口許。
 全身で不機嫌を主張する、少女の前で縮こまる。

「お願いですから信じて下さい」

 この期に及んでは、恥も外聞も無い。
 こちらも全身で謝罪を示し、助力を仰ぐ。
「……聖杯のサーヴァント、英霊ともあろう者が、土下座なんかしないでよ……」
 怒るよりもむしろ、情けなさに呆れるかの様に。
 トオサカリンは、額に手をやり低く呻いた。
「伝えといたでしょうに。危ないから、あまり人は見ない様に、って」
「ええ―――と。その、つい」
 
 見惚れてしまったもので。

「どうすんのよ。こんなの、桜が見たら」
 低く、呻く様に言うその口調は、苦虫を噛み潰したという態が相応しい。
 いや、このままだと噛み潰されるのは私の方になりかねないのだけど。

「……どうしましょう」
「どうしようも何も」

 自然、視線が横に向く。リンの斜め前、私の真横。


 酒精に酔った様に。
 正体を無くし蕩けた瞳で、身体を摺り寄せて来る、銀髪の少女。


 ……全力で『見て』しまったのは流石に拙かったかもしれない。
 殆ど猫か何かの様相で、しどけなく触れてくる『士郎』。

 ……指を咥えている場合ではありませんリン。

「……そうね。万が一、とは思うけど」
 気を取り直し、リンが続ける。机の中を堀り、漁り。

「―――常に、事態は最悪を想定しておくべきよね」

 取り出した。
 些か、歪で朧と言えど。七色に輝く宝石剣を、腰へと下げた。
 ……遊覧目的で宝具を使う英霊と、身内の喧嘩に魔法で備える魔術師か。
 これに『最悪』、嫉妬から聖杯を持ち出す我が主が加わるのだから。

「……牛刀を持ち出すにしても、程がありますね」
「斬ってみるまで鶏かどうか分かんないでしょうが」

 大は小を兼ねるとも言うしね、と。
 含蓄有る諺を一蹴して、
「ほら、早く行くわよ。のんびりしてると、あんた達がそろって居ないことに気付かれ―――」
  

 ―――言い掛けた言葉は。
 屋敷の外。揺らぐ気配に、寸断された。

 
 ……遅かったか。
 神代の夢の眠りも、現実の寝姿拝見の誘惑には勝てなかったらしい。
 黒々とした魔力の渦が、屋敷の外を覆っている。

「……最悪ね」
「……最悪ですね」
 げんなりと。
 顔を見合わせ、呟いた。

「―――こうなったら仕方ないか」

 据わった瞳で、少女が告げる。
「あの娘の頭が冷めるまで、付き合うわよ」
「はい」
「わたしが攻めるから、ライダーは援護」
 言い放ち、素早く廊下に飛び出す少女。
 続こうとした私の裾が、

「―――士郎?」
 小さなその手で掴まれる。
 潤んで蕩けた紅い瞳で、それでも心細げに眉根を顰め。言葉にならない制止を呟く、その姿。
 
 ……しっかり握って離さない、その両手ごと抱き締める。
 
「……大丈夫です。安心して、待っていて下さい」
 柔かな感触に、陶然となり。落ちてくる瓦礫を、抱えたままに避けながら。 
 

「―――お姉ちゃんが、護ってあげます」


 強く強く、確約の言葉を捧げ。


 自身が鞘であるかの様に、真白の少女を握り締め。
 開け放たれた、硝子窓。





















 そこから覗く、真黒の少女と対峙した。

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